オリックスファンと匂いの記憶

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「おめでとう」と声をかけてもらうと、如月の曇天の向こうでスタンバイしていた雪の匂い、病院の薬品と消毒が混ざった匂い、マスクなどしておらず風邪をひいて鼻を詰まらせていた時代の匂い。

そんないくつもの匂いを思い出した。

俺が以前に「おめでとう」と何人もから声をかけてもらったのは、今は4歳になっている下の子が産まれた時だった。

昨日と今日でたくさんもらった「おめでとう」の言葉から、どうしてかあの時のいくつもの匂いを思い出した。

今回の「おめでとう」は第三子が産まれたから。

ではなくて、もちろんオリックス・バファローズが優勝したから。

25年ぶりの優勝には、そんなにインパクトがあったのだろうか。

プロ野球にはまだまだ力があるんだなと、そして俺はオリックスファンであるのを長いこと自虐的に案外多くの人たちに話してきたんだなと思った。

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大阪か神戸で、オリックスの3連戦を全部観戦して、神戸サウナに3連泊する。

そんなことをしてやろうと企みだした途端にコロナ禍に襲われてしまって、これはまだ実現していない。

来年……と言わずに今年のCSで実現できる可能性もあるんだけど、一体どれだけの枚数のチケットを売り出すのだろうか。

まったく、オリックスファンも贅沢な疑問を持つようになったものだ。

 

以上