石焼きイモのサウナストーブ

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昨日は雨が降ってきそうで降ってこない金沢を歩いていた。

面倒くさそうに傘を持って歩いている人たちを見ながら、異界の人である俺は、これが生活感だよなとのんびり思っていた。

 

府中に戻って、今朝はいつものように家を出て、傘をさして駅に向かった。

昼休みは傘を持たずに外に出てしまい、ぱらぱらと降られた。

観光客などそうそう来ない場所で働いているけど、ああ俺は生活感を出す側に戻ったのだと思った。

仕事終わりに雨は上がっていて、俺は傘のことを思い出してやれなくて、また置き傘を増やしてしまった。

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昨日、その金沢で入ったサウナが「ヘルシーバス268」だった。

268は風呂屋と読むのか、それとも風呂場なのか。

サウナ室には「塩・おことわり 飲・食・おことわり お断り!」(原文まま)と書かれた貼り紙があって、もうお客と関わるのが面倒になっている店かと思ったが、受付のご婦人は朗らかだった。

石焼きイモを焼くために生まれてきたような、小ぶりな長方形に中肉中背のストーンを乗せたサウナストーブを眺めながら汗をかいて、俺はまだまだ知らん場所がたくさんあるものだなと思いながら歳をとって、朽ちていくのだろうと思った。