松戸新京成バスの「如来堂前」という、思わず手を合わせたくなる名前のバス停で降りる。
ここには松戸駅と東松戸駅を結ぶためのバスが走っていて、その不器用さがいかにも武蔵野線が走っている街だなと思う。
和名ヶ谷小学校の脇の、まだなんとか桜が残っている道を歩く。
目的地のラドン温泉湯るりはバス停から歩いて5分ほど。
岩盤浴の「盤」が取れている。
今日はプロ野球観戦、鎌ヶ谷で日本ハムの二軍戦を観てからやってきた。
球場入りするまでは、船橋法典駅に出て法典の湯に寄ろうと考えていたが、試合の隙間でラドンの名が付く温浴施設を発見し、ここを選んだのであった。
水道橋のアスカに立川の高砂湯など、俺はしっとりしたラドンの部屋がある店が好きだ。
サウナの間の休憩時間をラドンの部屋で過ごすと、流れを断ち切らずにゆるゆると汗を出し続けられる感覚がある。
それが良いのか悪いのかを含めて、確かな効能はまったく理解できていないけれど。
入浴料金は800円。
17時以降だと700円だったらしい。
知らずに入ったのは16時半過ぎだったので惜しかった。
受付カウンターの横では、冷凍のシュークリームがキンキンに冷えていた。
そしてこれですよ!
4月1日から休業のお知らせ。
明日3月31日はもともと水曜の休館日なので、今日が実質のラスト営業日らしい。
まったく知らずに来てこれだったのは、今日のところは運が良かったのは確かだけれど、また温浴施設がと思うと気分は当然明るくない。
しかし館内にはカラオケの歌声が響き、惜別の雰囲気は薄かった。
あくまで休業、皆は復活を信じているのだろう。
(以下2枚の写真はラドン温泉湯るりHPから引用)
サウナ室はビート板を持って入って、マットの上に座る形式。
HPにはフィンランド式との記載があるが、実際はまさにオートロウリュの直後だけ湿度が感じられるカラカラ設定だった。
サウナストーブを覗くと、ストーンが載った四角いストーブと、大きな樽型ストーブの2台で頑張っている。
コロナ対策の間引きがなければ、余裕で20人は入れる広さのサウナ室なので、このくらいのパワーは必要なのだろう。
室温計は98℃、ドアを出たすぐそこにこれもまた広々として滑らかな肌触りの水風呂がある。
で、ラドン温泉。
こんなに大きなラドンの部屋は初めて見た。
もはや入口のドアが、外れているのか立てかけてあるだけなのか見た目に判別できなかったが、触ってみるとなんとか引き戸としての機能は生きていた。
他にも露天に鯉でも泳いでいそうな水溜りがあると思ったら風呂だったり、「今月の名湯 熱湯43度」の手書きの札が掛かっていたり。
並大抵ではない老朽化に手のつけようもなくなってしまった印象だったが、雑木林の外気浴は確かに外に出ている雰囲気があって好ましかった。
しかし夏は虫の王国であったに違いない。
せっかくだから食事をと思ったが、相変わらずカラオケの美声が響いていて、ここは遠慮することに。
松戸駅前で飲んで帰ればいいかと。
ラドン温泉の「温」が取れている。
「それじゃ、再開を待ってますからね」
「いや、それがよくわからないんですけど」
なんて会話が聞こえてきたが、果たして。
まともにやれば相当にリフォームが必要なのは間違いない。
縁あれば、再びこの地へ。
【ラドン温泉 湯るり】