安倍総理と斎藤佑樹の言葉

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プロ野球選手が引退する時、もしくは競馬の調教師が管理馬の引退について語る時。
安堵感と解放感と達成感と無念さと愛しさと切なさとその他もろもろ、いろいろな感情が入り混じったコメントを聞くのが好きだ。
中日の今中慎二は「悔いはあります」と言い切り、フジキセキ渡辺栄調教師は「今後こんな馬にもう巡りあえるとは……」と続ける言葉を失った。
調子がいい時に人間が発する言葉は、誰が誰であっても大差ない。
人間の違いが出るのは、そうでない時だ。

「幸福な家庭はどれも似たようなものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」
トルストイアンナ・カレーニナ 第1編』

明日の8月28日、安倍総理が辞任するという記事を見た。
それはおそらく憶測であると思うのだが、そんな記事を見た。
総理大臣とスポーツ選手の引退を一緒にするのもあれだとは思うのだが、なんというか、ただ追い込まれるのではなくて、一言でも二言でも、自分の思いを語れる程度の余裕がある時に身を引かせてあげたいという思いが生まれた。
これはまったく政治の話ではないし、同情に近い感情であって、まして俺が総理大臣に同情など不遜ですらあるかもしれないが、正直にそう思った。

 

安倍総理斎藤佑樹も、退く時はそれぞれの言葉を聞かせてくれよ。
そして俺は今でも横須賀のサウナトーホーの閉店が、店より先に漏らされてしまったことは野暮だと思っている。