◎モズアスコット
○タワーオブロンドン
▲ダイアトニック
△グランアレグリア
△ダノンスマッシュ
△ノームコア
2011年3月の東日本大震災の後。
世の中は暗く放射能は恐ろしく、スポーツ紙にもスポーツが出てこない。
そんな時期に遠い遠い中東の空の下で、国際レースを制した日本馬がいた。
何頭もの日本馬が遠征しては敗れ、ホクトベガに至っては現地で土に還った、鬼門のドバイワールドカップ。
それをこんな年に勝てるものなのかと、俺は深夜のテレビ中継を信じられない思いで観ていた。
イタリアで育ち、日本の魂を抱いたデムーロはレース直後の馬上インタビュー(これ日本でもやって欲しいんだよね)で「私は日本を愛しています。ありがとう」と泣いていた。
翌日のスポーツ紙の一面はヴィクトワールピサで埋まっていた。
俺はコンビニに並んでいるスポーツ紙を全て買った。
書き手の喜びが溢れた記事ばかりだった。
あの時ほど嬉しく、ずっと競馬を見続けてきたことを誇らしく思ったことはない。
◎モズアスコット。
今思うと競馬場で競馬を観る、その当たり前がどれだけ贅沢なことであったか。
根岸Sのパドックで、この馬は他の馬と全く造りが違うと思った。
芯が強いが柔らかい、しなやかな馬。
ダート初挑戦でも買わずにはいられない、そう思わせる姿形をした馬。
条件不問。
芝とダートのマイルで頂点を取ったこの馬が末脚一閃、明日は芝のスプリントでタイトルを獲る。
そしてこの馬の背中には心強いミルコ・デムーロがいる。
○タワーオブロンドンは前哨戦で3着に敗れたところを逆に評価したいが、乗り難しい馬であるとの評もあり、やむない事情があるとはいえルメールから福永への乗り替わりを差し引いて次点まで。
▲ダイアトニックはモズスーパーフレアが内枠勢と競って飛ばして消耗戦になれば台頭する、本来1400mがベストの馬。
△グランアレグリアは同じ藤沢厩舎ならどうしても○より下の序列、△ダノンスマッシュは左回りをマイナスに取ってこの評価。
最後の△ノームコアは陣営も認める他力本願の追い込み馬、ならば腹を括って後ろからいく横山典への乗り替わりは適任だ。