コロナウイルスのおかげで、まるで戦時下のように不要不急の外出は控えましょうという話になっている、令和2年3月24日。
船橋駅に近い天沼弁天池公園に咲く桜も、どことなく所在なさげだ。
きっと桜は何も考えていなくて、それは見る人の感覚でしかないのだけれど、喜べない春はなんだかもったいない。
そしてこの日の夜、2020年東京オリンピックの延期が決定するのだった。
俺にはね、もう麻生太郎君や二階俊博君の言ってることがよくわからないよ。
安倍晋三君は……どうだろう。
お互い奥さんには苦労しますねって、そこで労い合う展開はあるかもしれない。
ここは船橋市地方卸売市場、海鮮丼を1000円で。
一応ね、野暮用あって船橋に来たのよね。
海鮮丼食って、この後サウナに入るためだけにここまで来たわけじゃない。
それは本当なんだけど、いちいち理由を用意しないと移動のひとつもしにくい世の中は、本当に不便でうんざりする。
船橋グランドサウナandカプセルホテルは、JRの船橋駅と京成船橋駅の三角州のような場所にある。
ホームページではどちらの駅からも徒歩1分との案内になっているが、どうだろう。
実際は3分を見込んでおけばお釣りがくるくらい。
変わらんか。
飲み屋街にある入口。
なにかと自粛を勧める世論と専門家、生活を繋ぐために必死で営業を続ける店舗たち。
噛み合わない状況が不幸を生み続けている感があるけれど、この煮え切らない状況こそが民主主義国家なのかなとも思う。
生殺与奪の権利をたったひとりが握りしめている、独裁国家ではあり得ないことだ。
階段の上、薄暗い先のサウナを目指すのは楽しくてドキドキする。
「人間は一日に一度くらい心拍数を上げたほうがいい」という説を耳にしたことがあるけれど、その程よい心拍数の上昇に該当する気がする。
階段の上のサウナを目指す日々を続ければ、長生きできるのかもしれない。
14時25分の入店。
メシも食ってきたしということで1時間のショートコースを選ぶと「じゃあ大体3時半頃までで、ごゆっくり」と受付のお姉さんがニコニコしていて、ここはいい店だなとサウナに入る前に思った。
(以下3枚の写真は船橋グランドサウナandカプセルホテルのHPから引用)
俺は今日、初めてこの店に来たと思っていた。
しかし浴室の雰囲気、入口と出口が別になっている動線に覚えがあって、かつて来たことがあるのを確信した。
それはいつのことかは定かではないから、おそらく記憶の大半を失ってしまった20代の頃だろう。
広くオレンジ色のマットに支配されたサウナ室はカラカラで100℃超。
テレビではやはりコロナウイルスのニュースが流れていた。
このサウナ室でも生き抜いてしまうウイルスだったらパンデミックもやむなしと思われるが、果たしてどうだろう。
浴槽の間には白の女神像。
これはレインボー本八幡にもあって、このあたりのサウナ施設では一時期流行った造りなのだろうか。
水風呂は18℃でまあ、平均点。
座敷の席がたくさんある休憩室。
夜は自粛できない飲み客でいっぱいになっているといいのだが。
俺は時間くらいは守れる男でありたいと思っている。
だから服を着て15時20分には鍵を持って受付に向かうと、さっきと同じお姉さんが「ありがとうございました」と同じようにニコニコしていた。
【船橋グランドサウナandカプセルホテル】