上野は曇り空のくせに15℃を超えていたらしい。
もはやコートは不要で、しかし春というにはまだ景色が追いついてこない。
なんだか煮え切らないが、冬と春の間に新しい季節ができたと割り切ってしまえば、これはこれで過ごしやすい気がする。
要するに寒いのが苦手な男。
寒いのが苦手な男が熱さを求めてやってきたのが、上野公園のすぐ脇にある「Smart Stay SHIZUKU 上野駅前」。
オープンしてまだ11日目のカプセルホテル。
どうも予約のない外国人観光客たちが、今夜11人で泊まれないか飛び込みで交渉しているらしく、フロントも大変な仕事だなと思う。
お目当てのサウナがある浴室は、受付を終えた後地下に。
(この写真のみSmart Stay SHIZUKU 上野駅前 ホームページより転載)
今日はここで素晴らしいサウナとの出会いがあった。
充分に湿度があって90℃超、そして忘れた頃のオートロウリュがさらなる潤いを与えてくれるサウナ室。
周りのサウナ好きたちは、どうもキャリアを重ねるとカラカラ乾系サウナを志向するように感じていて、いつまでもジトジト湿系サウナを好む自分にはまだまだサウナ経験が足りないのかと思っていた。
しかしここのサウナ室は、湿度のおかげで空気にしっかり重みがある。
新しく作られたサウナ室が自分の好みにピッタリだと、なんだか自信が出てくる。
どこかに俺と思いを同じくしている人がいるということだ。
新しいサウナ特有の木の匂いも心地よく、俺は一人で嬉しくなっていた。
18℃の水風呂も及第点の出来にはある。
地下にあり、またコンパクトなレイアウトであることから、神田のセントラルホテルに似ているとの前評判を目にしていた。
雰囲気は確かに同じカテゴリに分類したくなる。
だが味わってみると、白を主体としたデザインと湿度に寄せたサウナの設定からして、むしろ対極にある存在のようにも思える。
脱衣所には真っ白なバスタオルとフェイスタオルが山積みになっていた。
このままであってほしいが、おそらくはどこかで1人1枚ずつの制限がかかってしまうのではないか。
他所での例を見る限り。
こんなに立派な休憩ラウンジもある!
とりあえずはお試しと割り切って今日は1時間700円の料金で入浴したのだが、これは最低でも3時間は過ごしたい。
もちろんフリーwifiあり。
平日の昼間だからか、それとも新規オープンゆえにまだ知名度が低いせいなのか、浴室はずっと一人の貸切状態だったのだが、ここには人がぽつりぽつりと。
軽食にアルコールもある食事コーナーは16時からの営業らしいが、特に時間を合わせなくとも飲食物は持ち込み自由のルールになっている。
アメ横で何か買ってくる手があるか。
すぐ背中に下町風俗資料館なるものがあったが、こちらには入らず。
水道橋まで出て、野球殿堂博物館でノムさんの展示を観て帰ったのだった。
【Smart Stay SHIZUKU】