ここは中野駅の南口。
中野サンプラザやブロードウェイ、そしてかの有名なサウナノーベルとは逆側の出口だ。
雨の住宅地を歩く。
細い道に入っても、なかなか人影が途絶えないのが大都会中野。
府中の住民はそう思う。
雨が上がったか上がっていないか、その境目のなんとか傘をささずに歩けるくらいの天気が、散歩には最適だと思っている。
それは昔から。
街は雨で適当に化粧が剝がれた雰囲気が好ましい。
生活感が表に出る素顔が一番いい。
美しい。
装いだけなら、もうどの街も大差ないのだから。
東京オリンピックは今年。
とうとうここまで来てしまったとの思いがする。
どうせなら家族と一緒に思い出にしたいが、チケットも何も取れていない。
なんだか近所が騒がしくなって、1回か2回職質をされて、終わっていくのだろう。
夏の夜に、気軽にコンビニまでアイスも買いに行けない2週間を覚悟しなくてはならないし、面倒くさいね。
で、黒地の看板が格好いい高砂湯に到着。
駅からは徒歩で5分以上10分未満、なんなら少々歩き足りないくらいの距離だった。
入口横の自販機で、水を買って入店する。
カエルの高砂湯くん。
客商売で入口にカエルを置くのは何やら意味深ではある。
番台の男性は「く〜つ〜の〜か〜ぎ〜を……」と、うつむきながら少々妖怪がかった話し方だった。
(この写真のみ公式HPより)
月曜定休、営業時間は15時から0時30分まで、シャンプーとボディソープは備え付けあり。
入浴料460円に加えてサウナ利用の追加料金は400円と、なかなか立派な設定なのはやはり23区内だ。
ガス遠赤外線のストーブは中温中湿で、ジワジワと汗をかいていくタイプ。
サウナ室内は明るく、テレビはないがいかにも癒し系のBGMがかかっている(音楽の知識と表現力がほしい!)。
丸太の椅子が置かれているせいもあって、どことなくスカイスパを連想させる雰囲気もある。
水風呂は都内ではほとんど見ない一人用サイズ、露天風呂に行けば外気浴も可能だ。
脱衣所の横に、半畳程度の自販機置き場兼外気浴スペースがあったのだが、あそこはどうやら裸で出る場所ではないらしい。
危なかった。
元旦は旅先の高知で高砂湯だった。
この日は中野の高砂湯、立川の高砂湯も通勤経路からモノレールで逸れてしまえばすぐに行ける。
【中野区 高砂湯】