愛媛にあってもナニワサウナ。
もっともナニワが浪速なのか浪花なのか難波なのか、それとも何輪さんのサウナなのか、それは分からない。
そこんとこ確認しようと思っていたのだが、雰囲気に飲まれて聞きそびれてしまった。
恐ろしげな階段の上。
一応その筋の方お断りのマークなのだが、その筋の方しか居ませんよの警告にも思える。
上りきった左側に店の入口があり、いきなりリビングというかダイニングがあるアットホームな構造になっていて、半裸の男性がビールを飲んでいるのが見える。
サウナ玉泉で鍛えられた男なのだからと自分に言い聞かせ、歩を進める。
今治まで来て引き返すのはもったいない。
意を決して入店すると、何輪さんなのかもしれないお姉さんが、素晴らしい笑顔で迎えてくれる。
「ちょっと待ってね」と言われ、フライパンでの炒め物を終えたタイミングで受付してもらう。
90分800円、タオル大1枚に小2枚、歯ブラシと髭剃りは浴室に、荷物が多ければロッカーは2つ3つ使ってもいいからとのこと。
施設内の写真は全て撮影許可済みです。
お姉さん、ありがとう。
サウナ室の壁側にタオルが掛かっているのは、おそらく背もたれの代わり。
直に壁を触ってしまうと確かに熱い。
こうして背中側は克服されているのだが、薄いサウナマットの尻側は、警戒心の無いひと座り目では飛び上がってしまったほどに熱い。
100℃超でやや乾燥寄りの設定、だからといってこの店で「もっと厚いサウナマットを敷け」などと言うのは無粋だろう。
サウナ釜とははじめて聞く表現。
これがそのサウナ釜。
説明板にはノシロ工業の文字があった。
サウナ室のドアにマットを挟んで隙間を空けている人をはじめて見たが(女性用だと結構いるらしい)、だからといって室温が下がっている感もなく。
熱すぎる中に時々ふっと涼しい風が流れてくる感じで、むしろここのサウナを知り尽くしている常連だけが知っている楽しみ方なのではと思った。
サウナは素晴らしいと思ったが、反面水風呂には特筆すべき点は無く。
とりあえず水が溜まっているという感じで、なかなか全てが揃うサウナ施設というのはない。
まあ人間だってそうなんだから、いいじゃない。
お客の数よりマッサージチェアが多い休憩室。
同じ四国で高校野球の名門、明徳義塾は高知県だが、還暦をすぎても元気な馬淵史郎監督は愛媛県の人だ。
ここには馬淵監督のようなお客がたくさんいる。
よく日に焼けて、声が大きく、迫力があって、しかし余所者に排除する目線を向けたりはしない。
帰りの入口。
半裸の男性はさすがにもうビールを飲み終えていた。
お遍路さんの割引が設定されているところに、やはり四国だなと思う。