昨日の夜からずっと横になっていて、長く寝ていたような気がするし、意識は起きたままだったような気もする。
ともかく12時間も横になっていたものだから、朝から俺は気分がよかった。
こんなことはあまりに珍しくて、ああこれは今日で死ぬんだろうなと思った。
出勤して、元気に仕事をして、昼はお偉いさんとのランチミーティングが予定に入っていた。
ランチミーティング……なんだそれ。
いつだって食事はひとりでしたいし、酒抜きで他人と話すことは無理だ。
隅っこで座っていればいい、と思っていたら自然に隅っこの席があてがわれたので、分かる人には分かるんだなと思った。
流れてきた趣味の話題で「ひとりでいる時に生きている気がします」と言ったことは覚えてる。
8月19日の水沢競馬最終レースの話をしようとしたが、そこまでの持ち時間はなかったらしく、そもそも持ち時間なんていらない。
茶碗蒸しの付いた何とか御膳は奢りだったので、そこのところは素直に感謝した。
長く横になっていたおかげか、それと何とか御膳のおかげなのか、午後になっても俺は元気だった。
身体というより気分が軽い。
今日の調子なら、いつも部下への人格否定の言動で己だけが気持ちよさそうに生きているという、隣の部署のパワハラ女を刺しに行けるのではないかと思った。
俺だって弱者を救いたいし、たまには感謝もされたいし、最近は帰りにサウナに寄ることを想定して上だけは着替えを持ってきているから、返り血を浴びても何とかなる。
好みにもよるのだろうが、こういう時はバールのような物よりも、刃物でサクッとやったほうが爽快感がありそうだ。
律儀に1時間の休暇届けを出して、「ちょっと抜けるから」と言って、職場を出た。
安い包丁ならスーパーでも売っているが、俺は老舗の刃物店に向かった。
そう人生で何度もあることではないのだから、ケチらずにいい物を買おう。
奢りのランチミーティングで浮いた昼食代もある。
刃物を選びながら、俺はもう笑いが止まらなかった。
結局今日はサウナに行かなかったので、昨日行った多摩センター極楽湯のかき氷。
ここはかき氷を食べたくて行っているようなものだが、サウナも水風呂も別に悪くない。
プロサウナーがなんと言うかは分からないが、プロサウナーって血の通った生き物なんですか?