全線、全駅が長野県上田市内。
『真田丸』なる大河ドラマが、この別所線に何をもたらしてくれたのかは分からない。
少なくとも「真田幸村が好きだから別所線に乗る」という短絡的な動機は発生しないだろう。
それでもなんだか別所線、景気が良さそうに見える。
かつて廃止廃止と言われていた頃の燻んだイメージはもうない。
車両に凝ってみたり。
駅名板にも凝ってみたりとか。
いや、まあね。
それでも楽観できない状況ではあるのだろうけど。
全長10キロちょいの地方私鉄、工夫しようが何しようが限界はあるだろうしさ。
でも今も元東急の車両達が走り続けてる。
続くことが何より大事。
たくさんの地方私鉄が廃止されていった。
上田交通時代の他線も同じ。
それでもしぶとく生き残ってきた鉄道たちが、今になって観光資源として大事にされだしたりしてる。
地方が沈めば一緒に沈んでしまう運命なのかもしれないが、苦しみながらも生き抜いてきた鉄道が脚光を浴びることは単純に嬉しい。
そんでもって終点の別所温泉駅に到着。
まだ冬の空気の今日は鄙びた雰囲気だが、桜が満開になる頃のこの駅は素晴らしい。
今日 会いにきた丸窓電車、モハ5252。
1986年に引退。
まだ横軽があった頃、初めて上田にやってきた俺は丸窓電車の姿を探したが、すでにその時でさえ10年前には引退していると駅員さんに教えてもらった思い出。
まだまだ、ネットで調べものがスタンダードでなかった時代なので、ね。
この車両は元東急ではなく、上田電鉄の前身が自社で発注したもの。
「半自動ドアー」の文字がいい。
ドアー。
屋外屋根なしでの保存だが、今も丁寧に手入れされているのだろう。
塗装も綺麗でパンタグラフも立派、下から見上げると現役車両の風格。
「あいそめの湯」で岩盤浴と露天風呂を楽しんで、「相染食堂」でクラシカルなチャーシュー麺。
そして東京へ、そんじゃまた。