この美しき錦糸町の世界

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普段から本能で日陰ばかりを選びたがる者にとって、こんなに見事な秋晴れの日は居場所がない、歩く道がない。

そんな思いになる。
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晴れの日を好まない理由はなかなかないだろうけれど、どうか雨の日を嫌わないであげてほしい。

雨にだって役割はある。

世の中はいろんな役割の人が、その任務を果たすことで成立している。
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しかし、今日の俺は任務を果たしていない。

朝起きて、駄目だと思って、職場に連絡を入れて、この月曜日をたった一人の休日とした。

低空飛行のメンタルであっても、それを維持して生きていくためにはそれなりのテクニックが必要なのだ。

かつての母親の様子を思い出すと、今の俺はこんな感じであるにしても、よくぞまあ社会に混じって生きていると思う。

有象無象の一角に存在できていると思う。
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錦糸町の街は元気そうだった。

この街なりにダメージは受けているのだろうが、新宿や池袋とは違って、表向きだけでもかつての通りに振る舞う余裕がまだありそうだった。

この街は生命力が強い。

確かにこの街は、見るからに生命力が強い人間たちで構成されている。

昔からそんな印象を持っている。

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昨日は大塚の、長年通ったサウナ玉泉の最終営業日だった。

帰り道はさすがに感傷的になって、このままサウナ趣味をやめてしまうのが美しいのではと思った。

見た目と履歴書が美しくない人間は、つい思考に美しさを求めてバランスを取ろうとしてしまう。

今朝起きたら、今日行かなければ、本当にもうサウナに行かなくなるのではと思った。

それは家計を楽にすることではあるけれど、今以上に生活から味わいを消してしまうのは、自滅というか自殺というか、そういうことになる。

仕切り直し、再スタートの場として、今日は錦糸町のニューウイングまでやってきた。

そんな理由があるのだから仕事を休むのはやむを得ない選択だったのだ。
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例の5階でゴロゴロしていると、いつのまにかやってきた名物支配人が「仕事は?」と訊いてくる。

この美しき錦糸町の世界。