アフターコロナはオンライン無縁仏

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この2週間が瀬戸際です、を繰り返した40年間だった。

 

俺は素直に40年間外に出ていない。

これがあるべき国民の姿であって、あくまで自主的に自粛を続けたということだ。

ここまできたら表彰されるべきだと思うが、外出は危険だからオンライン表彰でお願いしたい。

 

今でも外では「密です!子どもたちは遊具を使うな!スーパーには一人で入店!」と、小池百合子の魂を引き継いだ不謹慎警察たちが元気にしているらしい。

県境警備隊たちは、県境にチョークで線を引いて跨いだだの跨がないだの検温するだのやっているらしい。

彼らは立派だ。

そしてその活動はやはり、あくまで自主的なのだ。

 

外出しない俺の生活はオンライン生活保護で成り立っている。

忘れた頃にオンラインケースワーカーの訪問があるが、彼らもコロナウイルスの恐怖からか直接俺に接触しようとはしない。

手元には和牛券が輪ゴムで束にする程度には溜め込んであるが、今もこの国に和牛が存在するのかどうかは定かでない。

和牛はオンラインでの飼育は難しい、それくらいは日陰者の俺にもなんとなくわかる。

 

時々は外の世界が懐かしくなることもある。

吉祥寺では新聞社主催の、超望遠カメラで直線ストレートの商店街をいかに人が密集したように撮るかを競ったコンテストが開催されているという。

俺もいつかコロナウイルスの脅威から解放される日が来たら参加したい。

 

テレビでは毎日夕方になると「今日の感染者数は0人です」と流れるようになって39年経っている。

俺は39年間、それを信じていない。

日本では意図的にPCR検査の件数を絞っている。

これはなんとしてでも東京2020オリンピックを開催するためだ。

コロナウイルスが蔓延した状態ではオリンピックを開催することはできない。

ところで今は2060年であって、新国立競技場は老朽化して解体を検討されているらしい。

 

感染症の専門家、いや評論家たちはコロナウイルスの影響は50年間続くと言っている。

かつては1年、いや2年……と話していたはずなのだが、彼らも仕事を失うわけにはいかないのだろう。


俺は死後もオンライン墓を購入してあるから安心だ。

アフターコロナは知ったことではないが、オンライン無縁仏となる未来だけは確定している。