ほんのちょっとだけ前のことなのに、すぐに忘れてしまう。
俺はそういう脳しか持てなかったのだ。
記憶できないのなら記録するしかない。
有意義なことだけで人生を満たそうという思考が嫌い。
ここは千葉県香取市、かりんの湯。
往路はバスと徒歩でやってきた。
バスは浜松町から約90分、徒歩は栗源バス停から30分以上。
それだけ歩くことは最初から織り込み済みだったから、文句はない。
明るいサウナと一人用の壺水風呂。
自分が美しくないから美しいものが好き。
何も不思議じゃない。
大抵の人は美談が好きだけど、別に心が美しいわけじゃない。
それと同じだよ。
意識が高いと自覚した人々は、全員が同じ顔をして、全員が同じ話をする。
意識の低い形は様々だから、一様には括れない。
「幸せは似ているが不幸はいろいろ」って感じの名言、誰かが残してたような気がするのだけど忘れた。
本数の少ない路線バスを絶好のタイミングで捕捉するのは嬉しいこと。
カレーを食べたい、インドカレーをナンで食べたい。
そんな思いは叶いそうにない佐原の町並みだった。
「生きていればいつかいいことがある」なんて、健康な奴が健康な奴に吐く時しか成立しないセリフだろ?
時間には限りがある。
これは意識が高い話じゃなくて命の話。
そもそも意識が高いってなんですか?
中止になったイベントのポスターを見てただ「仕方がない」と言い切れる思考のことですか?
佐原という駅は「特急あやめ」で来るところだとばかり思い込んでいたのだが、そんな列車は5年前に廃止されていたのであった。
大体が切り欠きで、駅の隅っこにひっそりと存在している0番線ホームが好きだ。
東武伊勢崎線の太田駅、立ち食いそば屋のある0番線が大好きだった。
今日は鹿島線の電車が止まっているタイミングではなくて、残念だった。
佐原駅前の店。
平日の昼間、定食屋で飲むビールは普段より5倍はうまかった。