遠くへ行くと心の中の死んでいる部分に気づく。
死んだものは蘇らないけれど、不思議と虚しさは感じない。
小さかった頃の出来事を子どもはすぐに忘れてしまう。
でもそれでいい、子どもの記憶とは親の思い出なのだから。
今日のサウナは木更津のつぼや。
この地には台風15号の傷跡がまだまだ残っているし、残り続けるのかもしれない。
よく見ればつぼやの屋根にもブルーシートが。
「うちは停電が早く終わってくれたから、すぐ店を開けられたんですよ」
「こうやってねえ、遠くから来てくれる方もいるんだから頑張らないと」
「ゆっくりしていってください。木更津を見ていってください」
みんな大好きつぼやのお姉さんから。
ここから見えるイオンモール木更津の駐車場には、数日前まで災害支援の作業車がたくさん停まっていたらしい。
丸山元気のスティッフェリオが逃げ切ったオールカマー、御嶽海と貴景勝の優勝決定戦、最近流行ってるラグビーのフランス対アルゼンチン。
その全部をつぼやで観た。
府中から木更津までサウナに入りにくるという行為は、特に今の状況下では酔狂で物見遊山と言われても、そうですねとしか返しようがない。
迷いはあったが、今日は来てよかった。
世の中の全員が内閣総理大臣や特命担当大臣の精神で生きる必要などない。
それぞれにそれぞれの暮らしがあるのだから、一人一人はゆかりのある場所に思いを向けるのがまず第一歩。
小湊鐵道が通常ダイヤに戻って、久留里線も一昨日から部分的だが復旧した。
千葉県は強い。
千葉県はきっと大丈夫。