玉の湯(東京都杉並区)

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中央線の帰り道。

武蔵境の境南浴場に寄ろうかと思ったら、今日は金曜で定休日なのであった。

ならば立川の高砂湯か、西荻窪で秀の湯か、高円寺でサンデッキか、中野のノーベルはちょっと……

せっかくならば新規開拓、考えた末に降りたのは阿佐ケ谷駅

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七夕まつりを来週末に控え、盛り上げていく雰囲気の駅前。

ところでここは阿佐ケ谷?阿佐ヶ谷?それとも阿佐谷?

頼むからどれでもいいと言ってくれ、好きなの使えと言ってくれ。

今日の仕事はもう終わったんだ。

あとは曖昧な世界で過ごしたい。

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目指すは玉の湯。

阿佐ケ谷駅から徒歩7分との案内。

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夕方から雨の予報は、今のところハズレ。

阿佐ケ谷の空は青い。

たぶん荻窪の空も高円寺の空も中野の空も青い。

立川の空はわからない。

八王子駅のトイレで「都内と多摩は5℃違う」の落書きを見て笑ったことがある。

23区と多摩の間には、空にも跨る結界が張られているに違いない。

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玉の湯に向けてのラストスパートで河北総合病院前を通過。

ここは寺山修司が最期の時を迎えた場所。

「競馬が人生の比喩なのではない。人生が競馬の比喩なのだ」

「出遅れたら追い込めばいいじゃないか」

「競馬の快楽とは、運命に逆らうことだ」

「寿司屋の政に言わせれば、競馬は『人生の敗者復活戦』だそうである」

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競馬セレクトばかりでごめんね。

その河北総合病院のちょっと先にある玉の湯着。

看板では毎週月曜が定休日ということになっているが、今は月曜火曜と連休しているらしい。

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遠赤外線サウナは110℃を超える表示!

だったが、若干サウナ室の上方に熱が溜まっている様子。

隙を見てタオルを回すと熱が拡散していい塩梅になる。

テレビの無いサウナ室では常連さんたちの病気談義、抗がん剤を使うと体重が10キロは減るので、それを見越してあらかじめ肉をつけておくのだという。

「あんちゃん、ここは水風呂が広いから、調べてきたんだろ?」

と訊かれて、39歳のあんちゃんは

「はい、そうなんです」

と小さな声で答える。

水風呂は24℃、俺が入っているうちに25℃、癌を克服した爺様が入ってくると26℃。

特に銭湯の水風呂ではどこを計っているのかわからない水温計が多いが、ここは律儀だ。

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「サウナが人生の比喩なのではない。人生がサウナの比喩なのだ」

「水風呂が温かったら長く入ればいいじゃないか」

「サウナの快楽とは、セッティングに逆らうことだ」

「寿司屋の政に言わせれば、サウナは『自律神経の敗者復活戦』だそうである」

寺山修司は今すぐ高尾霊園から出てきて俺を殴ったほうがいい。

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玉の湯を出てすぐそこの宮原豆腐店、タッパーを持ったお姉さんが豆腐を買いに来ていた。

こういう店が阿佐ケ谷ではまだ現役。

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今日は暗くなる前に帰らねば。

今度は子どもを風呂に入れなければ。

それもまた俺にとって大切な時間。

 

【玉の湯】

http://sentou.jp/map/1-20.html