武豊は「負けることのほうが多いのだから、負けに慣れてしまったほうが楽」だという。
至言だ。
しかし負けるたびに反省して次の機会に繋げていくような、俺はそんな能力も体力も精神も生まれた時から持ち合わせていない。
武豊は負けることに慣れながら、4000を超える勝利も手にしてきた。
俺は負けに慣れていくだけ。
今よりさらに負けと親しむために、今日の仕事は派手に負けた。
夕食をとらないままに22時。
好きなことができなくなるのはメンタルヘルスがまずい状態という知識はあったので、身体が起き上がり、歩けることを確認しながらの移動で境南浴場へ。
遅めの時間だがサウナ利用者はいつもより多め、風呂に入るより浴槽の縁に座って休んでいるお客のほうが多かった。
サウナ帰りに夕食。
味は今日の一回だけではなんとも言えん、くらいの手応え。
食べただけで店の名前も覚えずに帰ってきてしまった。
駅前の公園では大学生たちが酒を飲んで楽しんでいた。
君たちの20年後が俺ならば、もっと度数の高い酒を選んだほうがいい。