江ノ電に乗るために下車したことはある。
しかしこの藤沢を目的地にしたことは初めてだ。
スイッチバックで無理矢理に4線設けた小田急線ホームは好ましいが、「特急えのしま」はそのうち廃止されてしまう気がしている。
あるいは週末だけの運転になるとか。
駅前が大きい街というのもまた好ましい。
さすがに東海道線が通る駅なだけはある。
「ようこそ、藤沢へ」
そう言ってもらえるだけで嬉しいよ。
その下にある「青春ブタ野郎は……」のくだりは引っかかるけど。
とにかく、藤沢駅北口を出たら左方向に歩いてくださいな。
このみょうちくりんな吉野家のほうへ進んで、ダイエーを越えて、デニーズを過ぎたあたりにそれはあります。
その名は富士見湯。
超軟水が売りの銭湯。
特急より速いのが超特急、消防法を無視して定員より多くお客を入れたら超満員、軟水を超越した超軟水とはなんぞや?
営業は15時から23時で木曜定休、サウナ利用の料金は670円でバスタオル付き。
シャンプーとボディーソープは据え置き無しだが受付で購入できるし、来る途中のダイエーには100円ショップもあるからどうにでもなる。
サウナは銭湯サウナのスタンダード、ガス遠赤外線で目一杯入っても5人まで。
サウナ室内の木はニスが塗られていて、まるで阪急電車のようにテカテカしている。
深さのある水風呂は黒みがかっていてほのかに硫黄臭がする。
表示は16.6℃、トロトロした水質に軽めのバイブラのアシストもあって体がツルツルになる。
これが超軟水の効果か、と感心したがHPには「……水風呂ひんやり地下水……」と書かれている。
他の浴槽が超軟水で、水風呂は別枠の地下水?
それとも超軟水としての処理がなされた地下水?
気持ちがよくて、水風呂に入るためにサウナへ5回も入ってしまって、なのにそこのところは疎かなまま。
謎を解き明かすためには再訪するしかないと、ツルツル肌の帰りの電車でそう思った。
(この写真は富士見湯HPより)
メルヘンな城のようで断崖絶壁に建っている。
あの元銭湯絵師も、富士山周りの風景などのオーソドックスな題材を離れて、描くテーマそのもので奇をてらっていく手はあったような気がするのだが、そもそもオリジナリティを発揮できないから「元」になってしまったんだっけ。
狭い部類の銭湯ではあるが、カランは思い切って20ヶ所も設置されているから、順番待ちも無く混雑した感じはしない。
ここはテカテカ、トロトロ、ツルツルの銭湯サウナ。
再訪決定。
【富士見湯】