京王線の、各駅停車しか停まらない国領駅から神代団地と慈恵医科大を左手に見ながら歩く夜。
感覚として狛江に向かうのは下り方向。
調べたところでは国領駅から徒歩10分とのことだったが、俺の短い足では軽く倍はかかる距離だった。
所要時間の案内というのは得てしてそんなものだが、ダルビッシュ有、大谷翔平並みの足の長さがあれば本当に10分で着くのかもしれない。
ペンギン投法の安田猛なら30分かかるかもしれない。
夜の街を歩くのは好き。
東京がいいな、と思えるのはクリスマスが終わってから年末に向けて人が少なくなっていく時期。
あと1ヶ月経てば。
ずっと住宅地を歩いていたらいつのまにか調布から狛江に入っていた。
メリハリなく隣の市に繋がっているのが、さすが東京だと田舎者は思う。
銭湯には大きな煙突があるから、向かいながら迷うことはない。
むしろこっちだこっちだと手招きされている気がする。
煙突に呼ばれている。
国領駅から徒歩20分で到着した富の湯は、月曜が定休日。
シャンプーとボディーソープの据え置きあり。
タオルのレンタルもあり。
14時オープンだが日曜だけは朝8時からの朝風呂も。
サウナ室は遠赤外線式で80℃強、うなぎの寝床の細長い造りで目一杯入って10人まで。
テレビはあるがどこの席からも見にくい位置にあるので、みんな半身になって首をひねって汗を掻いている。
水風呂は体感で約16℃と見たがこれはおそらく季節連動式、蛇口から掛け流しの状態だった。
露天風呂があり、したがって外気浴も可能。
こじんまりとしたスペースにはまり込んだような居心地の良さがある。
押入れを秘密基地にしていた感覚。
アイスも売っていて、風呂上がりに何の不足感もない。
毎月26日に来れば、ヤクルトが1本もらえるらしい。
【富の湯[狛江市]】