大人になっても、おじさんになっても、8月31日は寂しい。
幼稚園も小学校も中学校も高校も、8月31日は夏休みの最終日だった。
大学は、ずっと休みのようなものだったけど。
面倒なことは来月の俺に任せる!
と、定時ダッシュで職場を後にする今月の俺。
横浜線、中央線、さらに富士急行線にまで乗り継いで都留市まで行く。
すべて今日の午後の、会議中に決めたこと。
相変わらず寂しげな都留市駅。
寂しげな街にも名店はある。
20年間食べてる味、ホイコーロー定食は720円。
デビュー当時は650円だった。
あれから消費税が上がって、消費税が上がって。
実質的な価格はあまり変わっていないような。
ママもさすがに年齢なのか、あまり元気がないように見えて心配になった。
で、今日の都留は八朔祭の前夜祭。
八朔祭の日は、この寂しげな街のどこにこんなに人がいたの!
というくらいに賑わう。
20年前の八朔祭、一緒に訪れた子が今の妻でして…
なんて美しい物語は持ってない。
楽しいのは、ハレの日は堂々と夜を楽しめる子どもたち。
どんな祭りも結局主役は子どもだと思う。
いっそ朝まで飲んで帰ろうか、と思ったけど妻の顔が脳裏に浮かんでやめました。
いい夫。
そもそもがもう、朝まで飲む体力なんてないという話。
戸惑いばかりの不惑はすぐそこに。
サウナはより道の湯で。
泰安温泉と迷ったが、こちらを選んだ。
どうも泰安温泉には、20年前の俺がいそうで。
20年後の俺の腹の肉を摘みながら「おじさんも苦労してるんですかねえ?」なんてニヤニヤしながら言われそうで。
あいつはそういうヤツだった。
あいつは食えない男だった。
でもまあ、いいヤツだったよ。
今の俺よりは絶対に。
素直に帰る、終電は都留市発2201。
8月は夏、9月は秋。
今夜家に着く頃には、もう秋。