ターザン山本「2年前、御神本クンが免許更新されなかったとき、キミはどう思った?」
中野省吾「ボクもいずれそうなるだろうな、と」
今日発売の『競馬最強の法則 6月号』におなじみターザン山本と、3月末で姿を消した元船橋競馬の騎手中野省吾のインタビューが。
タ「じゃあ今回は、一部の人間にハメられたわけか。刺されたんだな」
中「そういう面もあったでしょうね。ただ、そもそもボク自身にグレーなことが多かったことも事実」
ターザン山本といえば『週刊プロレス』の元編集長、なんだけどバリバリの頃の記憶はあまりない。
俺にとってのターザン山本は、別冊宝島時代からよく騎手のインタビュアーをしていて、いつも「これから◯◯騎手の馬券買いますよ!」で締めくくっていたおじさん。
安田富男に奥さんまで交えてのインタビューは秀作だった。
サニーブライアンが逃げ切って、シルクライトニングがゲートに入れなかったダービーの話。
タ「普通の人間は、最悪の事態だけは避けるように自己防衛するもんだよ。じゃあキミ、クビになっても後悔はないの?」
中「後悔はちょっと…2%くらいかな(笑)」
俺はまた、騎手中野省吾を見たい。
全くなければ0%なわけで、2%でも後悔があると言うのならいつか戻ってくるんじゃないかとここでは思ったけれど。
タ「体重調整が難しかったの?」
中「それもありました。減量はキツかった」
この理由が含まれちゃうともう帰ってこないかなあ、とも思えてしまう。
しかしこの後海外の競馬なら、と語っている部分がある。
海外ならおおよそどこも日本より斤量を背負わせる競馬をやっている。
すなわち、騎手は体重が重めでも日本よりは何とかなる。
タ「なんだかキミはぶっ飛んでるな。ジョッキーは辞めない、金持ちになる、か」
中「正直こうなってしまったことは偶然じゃない。そもそも自分には、この船橋には留まれないモノがずっとあった。だから今回は本当の、本来の自分の道を進むチャンス」
ターザン山本からぶっ飛んでいると言われるのは相当なもの。
勝負の世界に生きるならそれが頼もしさに繋がったりもするのだが、今後は事業も手がけていきたいと…
事業も勝負といえばそうだが…
大丈夫かな?
大丈夫じゃないの単勝のほうが売れるでしょ。
中「楽しい思い出があるんです。ボクね、先月末に船橋を辞めてすぐ、新宿のホストクラブで短期バイトしたんです。あの世界に興味があったから」
タ「おお、キミにピッタリだな(笑)」
中「4月1日からそこで働いた。住所不定無職なのも面白いけど、やっぱり早くなにか前向きなことを始めたいなと思って。でもお客様は結構つきましたよ。結構若いコ、しかも同業者のコたちがすごく多かったですよ」
タ「シャンパンタワー、やった?」
中「いや、一度もやってもらえませんでした(苦笑)。でも稼いでるヤツは凄かったな。ボクはそこまでいけなかったけど」
前向きなのはいいとして、やっぱり公正競馬の世界では危うい男だったんだろうなとは思わせる。
船橋競馬が公正?というのはここでは置いておいて。
タ「まだ馬に乗るの?どこで?」
中「さあどこになるかは…今のボクを受け入れてくれるところが、この世のどこかにあると思ってますから」
自分のことは洗いざらい語ってるんだけど、かつての仲間たちへの恨み言はほとんど語っていない(語っていて使われなかった可能性もあるけど)。
やっぱりもう一度 、競馬に乗りたい気持ちは強いんじゃないか。
本人が並べた言葉以上に、周りが思っている以上に、情念の部分で。
もう一度中野省吾が競馬に乗るところが見たい人間の、願望込みの予想だけど。