このまま持って帰って家で飼いたい。
東武鉄道伝統のセイジクリーム。
キハと付くのだからこれは気動車で間違いない。
現在、東武鉄道で気動車は使用されていない(気動車を飛び越えて蒸気機関車が走り始めたけど)。
この車両は1983年に廃止された東武熊谷線で走っていたもの。
その後、熊谷市立妻沼展示館に保存されているもの。
しっかり屋根の下に展示されていて、引退から30年以上経つのに状態は良く見える。
熊谷から妻沼まで、約10キロを17分で走っていたこの車両は「特急カメ号」と呼ばれていた。
それまで使われていた蒸気機関車牽引の客車列車「カメ号」より格段にスピードアップしたことにより、頭に特急が付いたのだという。
詳しい説明はこちら。
シートの背もたれが低い。
外から見ても、中に入っても、ミニチュア感のある車両。
やっぱり持って帰りたい。
庭先に置きたい。
ところで置けるスペース、あったかどうか。
1両編成、運転台は両端に。
運転台の脇に、まるで運転手を観察するために作られたような座席。
子どもが乗ったら絶対に喜ぶ席。
最高速度65キロで運転されたという特急カメ号だが、一応スピードメーターは120キロまである。
今の特急型気動車でも、これはなかなか出せない速度だけど。
やっぱり、現役の頃に乗りたかったな。
俺は何をやっても遅い男。
生まれてくることすら遅かったということ。
妻沼はかつて、単独で妻沼町だったが今では熊谷市に取り込まれている。
よくあるパターンだ。
熊谷線は妻沼から、さらに延長される計画があった。
東武鉄道としては起点の名前を取って熊谷線、しかし妻沼の町では妻沼の人しか使わない鉄道だから妻沼線と呼ばれていたらしい。
実際に来てみて分かることってたくさんある。
妻沼展示館では屋内にも熊谷線関連の展示が充実。
あ、妻沼妻沼って書いてきたけど読み方は「めぬま」です。
知ってた?
もう、キリがない。
帰りたくなくなってしまう。
幸せな時間。
そうは言ってもこのまま妻沼に居続けるわけにもいかない。
名残惜しくて仕方がないけれど、妻沼展示館を後にする。
だんだん離れていくと、特急カメ号の姿が寂しそうに見える。
【熊谷市立妻沼展示館】
http://www.city.kumagaya.lg.jp/shisetsu/bunka/tenjikan.html