強く儚い氷河期世代

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「ずっと同じところで働ければいいですけど。もっと金がいいとこがあったらヨソも考えますけど」

「結婚はしたいです。子どもも欲しい。早いほうがいいですかね?」

 

若者、昔俺たちが働き出す前に思っていたようなことを、隣の席で働きながらにして爽やかに語る。

彼は社会に出てきてから心を折られている様子はないし、ましてやここに来る前の段階で社会に殺されかけた経験もない。

おそらくは。

 

努力しようが才能があろうが、社会に出るタイミングの経済状況で人生と人格が決まってくるのが、少なくとも日本における資本主義。

俺はそう思っている。

そしてこれを否定しようとするヤツは、ことごとく話が長いから嫌いだ。

強く儚い氷河期世代

なに、君も氷河期世代

おお、じゃあ飲み行こうよ、駅前の安いとこ、ワタミは嫌だ、庄やあたりでどう?

今月小遣い苦しいんだ、割り勘でごめんね。

え、苦しくない月なんてないよ、余計なこと訊くと奢らせちゃうぞ。

 

おやすみなさい。

また明日、朝が来たら会おう。