消費税アップもどこ吹く風、あの頃と変わらない400円の料金にサウナ利用の追加料金無し。
俺にとってのサウナの原点、泰安温泉。
名前は温泉だけど、お湯は温泉じゃないことは昔から知ってるよ。
当時は「コーポ泰安」という学生向けのアパートがあって、そこの住人は泰安温泉に入り放題だった記憶がある。
今もまだ、コーポ泰安はあるんだろうか。
営業時間も昔と変わらず朝9時から。
こんなに早くから開けてくれている銭湯は珍しく、そしてありがたい。
授業の空き時間にここに来ていたりして、都会の学生には笑われそうだが、当時はそれが日常そのものだった。
朝から魚屋でバイト→昼に上がっていつもの店で吉田うどん→泰安温泉でスッキリ→帰って寝る→夜は繰り出す、が大学4年の時の生活パターン。
体を洗って身綺麗にするだけじゃない。
サウナに入って汗を流すと、体の芯から洗われた気持ちになる。
鮮魚は扱ってるとどうしても臭いがつくからね。
一応段差はついているが、3人入ればお腹一杯のサウナは100℃。
「ここのサウナはあちーらー」と、背中に見事な絵の描かれた方から話しかけられた思い出があるから、若き日の自分が入った頃と同じセッティングかもしれない。
サウナ、水風呂、高温の浴槽と薬湯の浴槽。
男の子を連れて、仕切りの向こうの女湯に「何時に出るらー?」と声を掛けるお父さん。
多分俺と同じくらいの歳。
どうやっても一人しか入れない水風呂。
富士山麓の温浴施設は、どこも当たり前のように水がいいから素晴らしい。
俺が暮らしていた頃の都留市は、水道料金は全国2位の安さで夏でもキンキンに冷たい水が蛇口から出ていた。
それもまあ気候、冬場の寒さとトレードオフではあったんだけど。
綺麗にリフォームされていたけど、畳の休憩室があるのも昔と同じ。
牛乳を買って飲んでもいいし、自分でお茶を入れて昼寝するのも自由。
ここはとにかく自由。
空が青くて、陽射しが強くて、それでも寒い。
いかにも山梨の正月。
今年一年いい年になりますように、私にとってもみなさんにとっても。
年の始めの原点回帰の話。
【泰安温泉】