どことなくかつての近鉄小池の「命投法」を彷彿とさせる、日体大荏原の背番号13。
分かりやすい変則サウスポー。
府中市民球場で高校野球、春季大会なんぞやっていたものだからつい覗いてしまった。
座った瞬間、立教池袋の選手が逆転満塁ホームランを放って紫色のメガホンが揺れる。
俺が来たおかげで…なんて思わない。
むしろ打たれた日体大荏原に申し訳ない気持ちになってしまった。
物見遊山、余計な人間が不運を連れて球場に入ってきたせいではないかと。
しかしその後、命投法の背番号13君が好投して日体大荏原が逆転勝ち。
だから許しておくれよ。
そして第2試合。
ここまでくるとちょっと覗いてというレベルではなく、本格的な野球観戦モードだ。
日本ウェルネスの学校名に、ドカベンのブルートレイン学園を思い出した。
序盤から日本ウェルネスは盛んにランナーを出すが、なかなか得点に繋がらない。
こうなると野球というのはうまく出来ているから、耐えた世田谷学園が一気の反撃に転じて中盤に逆転、そのまま勝利。
俺は選手たちの2倍くらい生きているのに、高校球児のほうが大人に見えた。
甲子園を目指す高校球児には、幾つになっても畏敬の念を持ってしまう。
息子が野球の道を選んでくれれば親の俺にも新しい楽しみが生まれるが、どこの野球部も保護者が頑張って支えているようで、それも大変だなあとも思った。