子どもの気持ち

f:id:tsumetaimizuburo:20161107232543j:image

息子は「保育園は楽しい」と言う。

父親は幼稚園から通い始めたが、「幼稚園は楽しい」と思った記憶は残っていない。

幼稚園に向かうために、朝起きるところから面倒でたまらなかった。

 

息子は「今日はもう迎えに来ちゃったの?」なんて言う。

延長保育のほうが、保育士さんとも友だちとも長い時間過ごせるから楽しいのだという。

父親は幼稚園の頃から会社員になった今まで、早く帰りの時間になって欲しくて仕方がない。

 

息子は「みんな友だちだから」とも言う。

嫌いな友だち、合わない友だちという意識もまだあまりないらしい。

父親は人間の好き嫌いが激しいタイプなんだけど。

 

息子は「パパもママも好きだよ」と言ってくれる。

いや、あまりに保育園や友だちと過ごすことが楽しそうなのは、親といるとつまらない裏返しなのかも…

と思って尋ねてみたのだが、愚問だった。

 

俺はつまらないとか、嫌だとか、面倒だとか、そんな思いばかりを産み出して、抱え込んで生きてきた人間なので、そして息子はそんな俺の子どもなわけで、こんなに陰のない日常を送ってもらえると却って不安になったりする。

伸び伸び楽しく生きる日常に、いつしか父親の暗い精神性の遺伝子が姿を現わすことがあるかもしれないと。

その時はまず、頭を下げて謝るわ。