「巨人、大鵬、タマゴ焼き」といった時代があった。
いずれも超本命である。
巨人が勝ち、大鵬が優勝し、タマゴ焼きが喜ばれるようなマイホームが安泰な時には、体制が強固で、一応天下泰平に見える。
(中略)
しかし、「近鉄、焼酎、カブトシロー」とでもいった時代になると、反体制的な勢力が力を得て、競馬には穴馬券が続出し、権力は弱まってくる。
(寺山修司『競馬場で逢おう』より
◎アーモンドアイ
○インディチャンプ
▲ダノンキングリー
△ダノンプレミアム
△グランアレグリア
△ノームコア
冒頭からいかにも逆転を望む雰囲気の引用をしておきながら、◎アーモンドアイとド本命から入る。
これまでゆったりとしたローテーションで使われてきた馬が今回は中2週となるが、鞍上ルメールいわく前走のヴィクトリアマイルは余裕を持って、最後は流して勝ったレースだったという。
地力の高さについては改めての説明は不要だ。
レース間隔の短さについても、これだけ詰めて使ってくるとはむしろ不安なしの証左であると思う。
問題は相手関係よりも、自分が力を出し切れるコンディションであるかどうかだけ。
そこに付け入る隙を見出せないのだから、いかに人気サイドでもこの馬からいくしかない。
コロナウイルスの仕業により世の中は混沌としているが、かといって反体制派の台頭が強く望まれているわけでもない。
求められているのはむしろ足元の安定だ。
○インディチャンプは恵まれたとはいえ昨年の安田記念でアーモンドアイを下した馬、▲ダノンキングリーは先行する競馬でとりわけ春の東京に合うタイプ、△ダノンプレミアムは香港遠征明けの分差し引き、△グランアレグリアは力をつけているが距離延長のローテーションでどうか、最後の△ノームコアはリニューアルオープンした高円寺のサウナサンデッキのお祝いにしたい3枠3番で。