ビッグデータの専門家らしい

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聴覚障害

相当に大きな音なら聞こえるらしく、正確には高度難聴と分類されるらしい。
彼とは1年間、プロジェクトのパートナーとして一緒に働いた。
いつも柔らかい表情で、彼が座っていてくれるだけで安心できる、そういう存在だった。
チャットと筆談でコミュニケーションをとっていたが、親しくなる中でそれだけでは物足りなくなった。
俺はオリックスが負けるたびに悔しさを伝えたかったし、彼が過ごしたというクラスに2人しか男子がいない商業高校の思い出を聞いてみたかった。
いちいち俺の汚い字を解読してもらうのもしんどかった。
そこで手話を覚えることにした。
基本から離れて、無理矢理のジェスチャーで表す部分もかなり交えつつではあったが、普段のやりとりには不自由しなくなった。
完璧にやろうと思わなければ、案外ハードルは低かったのだ。
すると周囲のメンバーも自己流で手話を覚えて、会話するようになった。
当時は何も大したことじゃないと思っていたけれど、振り返れば世界が広がるとはああいうことだったのかと思う。

 

その彼を、ビッグデータを取り扱う専門家として取り上げた記事を、ネットに見つけた。
本当に嬉しいこととはこういうことを指すのだと思う。
彼の聴覚障害については何も触れられておらず、流石だなと思った。

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今日のサウナは府中の桜湯。

「ここはテレビ置けないだろうからさあ、ラジオ流したらってさっき話してきたんだけど」とサウナ室で、おそらくは常連さん。

確か中野の上越泉がラジオを流してていい雰囲気だったな。

まだまだ生まれ変わったばかりの新生桜湯、試行錯誤にはとことん付き合う覚悟はある。

なんでも来いだ。

「身の丈」も「死ぬこと以外かすり傷」も他人に向かって言うことじゃねえだろ

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「マスクをするのは礼儀が」なんて言う奴は、相手がコロナウイルスにかかって死んだら面白いと思ってるんだよ。

自分の影響力で人間を消す楽しさ。

そんでもって出るとこ出たら「政府の対応が……」とか言うんだよ。 

実力主義の世の中でテッペンを取るのはこのタイプ。
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「身の丈」も「死ぬこと以外かすり傷」も、他人に向かって言うことじゃねえだろ。

てめえの勝手で上から目線の腐った言葉投げつけてくんなこの馬鹿が。

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絶望に沈んでも、その後に浮上した話が多いのは、そうでないと物語にならないからだ。

ひと山なんぼの人間たちは、沈んだら沈んだまんま。

ひと山なんぼの人間たちは、物語になんぞなるわけがない。

自覚しておくように。

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「この世には自分が理解できないこともある」と悟れるか「理解できないものは認めない」にいくか。

長生きしたかったら後者を選んでくださいな。

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で、今日のサウナは神楽坂の第三玉の湯。

15時開店で到着したのはその2分前、すでに20人ほどの行列ができていたから大したものだ。

みんな手持ちの入浴券を出して入っていった。

自販機でサウナ付き1000円のチケットを買っていたのは俺だけだった。
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明日なんかいらない、と格好つけてる間に日付が変わってしまいそうだ。

ぐったりしてはいるけれど、そんなに簡単には眠れる気がしない。

 

                                                                                                  以上

Smart Stay SHIZUKU 上野駅前(東京都台東区)

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上野は曇り空のくせに15℃を超えていたらしい。

もはやコートは不要で、しかし春というにはまだ景色が追いついてこない。

なんだか煮え切らないが、冬と春の間に新しい季節ができたと割り切ってしまえば、これはこれで過ごしやすい気がする。

要するに寒いのが苦手な男。
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寒いのが苦手な男が熱さを求めてやってきたのが、上野公園のすぐ脇にある「Smart Stay SHIZUKU 上野駅前」。
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オープンしてまだ11日目のカプセルホテル。

どうも予約のない外国人観光客たちが、今夜11人で泊まれないか飛び込みで交渉しているらしく、フロントも大変な仕事だなと思う。

お目当てのサウナがある浴室は、受付を終えた後地下に。
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(この写真のみSmart Stay SHIZUKU 上野駅前 ホームページより転載)

今日はここで素晴らしいサウナとの出会いがあった。

充分に湿度があって90℃超、そして忘れた頃のオートロウリュがさらなる潤いを与えてくれるサウナ室。

周りのサウナ好きたちは、どうもキャリアを重ねるとカラカラ乾系サウナを志向するように感じていて、いつまでもジトジト湿系サウナを好む自分にはまだまだサウナ経験が足りないのかと思っていた。

しかしここのサウナ室は、湿度のおかげで空気にしっかり重みがある。

新しく作られたサウナ室が自分の好みにピッタリだと、なんだか自信が出てくる。

どこかに俺と思いを同じくしている人がいるということだ。

新しいサウナ特有の木の匂いも心地よく、俺は一人で嬉しくなっていた。

18℃の水風呂も及第点の出来にはある。

地下にあり、またコンパクトなレイアウトであることから、神田のセントラルホテルに似ているとの前評判を目にしていた。

雰囲気は確かに同じカテゴリに分類したくなる。

だが味わってみると、白を主体としたデザインと湿度に寄せたサウナの設定からして、むしろ対極にある存在のようにも思える。
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脱衣所には真っ白なバスタオルとフェイスタオルが山積みになっていた。

このままであってほしいが、おそらくはどこかで1人1枚ずつの制限がかかってしまうのではないか。

他所での例を見る限り。
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こんなに立派な休憩ラウンジもある!

とりあえずはお試しと割り切って今日は1時間700円の料金で入浴したのだが、これは最低でも3時間は過ごしたい。

もちろんフリーwifiあり。

平日の昼間だからか、それとも新規オープンゆえにまだ知名度が低いせいなのか、浴室はずっと一人の貸切状態だったのだが、ここには人がぽつりぽつりと。

軽食にアルコールもある食事コーナーは16時からの営業らしいが、特に時間を合わせなくとも飲食物は持ち込み自由のルールになっている。

アメ横で何か買ってくる手があるか。

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すぐ背中に下町風俗資料館なるものがあったが、こちらには入らず。
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水道橋まで出て、野球殿堂博物館ノムさんの展示を観て帰ったのだった。

 

【Smart Stay SHIZUKU】

https://shizuku-hotel.jp/uenoekimae/

ノムさんの話

11日未明に野村克也氏が亡くなったことを受け、テレビ局の取材でヤクルト2軍の宮崎・西都キャンプを訪れた古田敦也氏(54)が、恩師を悼んだ。

現役時代は野村監督とヤクルト90年代の黄金期を築き、4度のセ・リーグ優勝、3度の日本一を貢献。薫陶を受け、野村ID野球の申し子とも言われた。「思い出は語りつくせない。9年間ご一緒させていただいて、捕手としてのイロハを含めて、プロ野球を1から教えていただいた。公私に渡ってお世話になりました」と話した。(以上サンケイスポーツ

ノムさんの実績とか、名言とか、育てた人とか、サッチーのこととか、そういうことを知りたい人はとっくによその記事を読んでいるだろうから、いいだろう。

 

今朝出勤すると、職場の中では若いほうの女性が「野村さん亡くなりましたね」と話しかけてきた。

楽天の監督時代の姿は覚えていて、試合が終わると面白い話をするおじいちゃんだと思っていて、サッチーのことはよくわからないという。

そんな話をしていると、再雇用中のベテラン技術者が混ざってきて、俺は川崎球場でロッテのユニフォームを着てプレーしたノムさんを見たのだと自慢する。

女性の同僚は銀座で飲んでいるノムさんを見たことがあるという。

一体どんな店で見かけたのか、尋ねようとしたところで始業の時間になって、話はひと段落してしまった。

 

もう渡ったのか、それともこれから渡るのかは分からないが、この国では亡くなった人間は三途の川を渡ることになっている。

川があるなら河川敷がある。

河川敷には草野球場がある。

ノムさんはすっかり若返って、今頃またブツブツ言いながらキャッチャーミットをはめているのだろうか。

いや、やはりノムさんに似合うのはベンチで指揮をとる姿ではないか。

不貞腐れながら三途の川の手前までやってきたベテラン投手に「シュートを覚えろ。お前もう後がないんだろ?シュートで攻めることでスライダーが生きてくる」と指導して、生者の世界へ逆戻りさせるシーンもあるかもしれない。

 

とにかく俺が言いたいのは、古田は早く現場に戻れということだ。

 

                                                                                                     以上

夢の缶コーヒー

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いつも睡眠不足なのに大した眠りを得られないくせに、珍しく夢を見た。
他の人はよく見ることがあるという「大学で単位を落とす夢」というやつだ。
俺が見たのは落とした後の光景だったかもしれない。
本が縦に積まれている懐かしいゼミ室で、何かの提出に間に合わなかったと俺は落ち込んでいたから、単位どころか卒業できなくなる話だったのかもしれない。
そうなると卒論を出せなかったのかもしれない。
ゼミ室の中には何人もいたけれど、みんなの顔は見えなくて、ひとりの女の子の声だけが聞こえてきた。
俺を慰めてくれるような話で、かつてはよく聞いていた、心当たりのある声だった。
その声を聞いたら落ち着いた。
落ち着かない夢というのがあるのかどうかはわからないけれど、俺は落ち着いた。
そしてこの人と結婚すればいいのかと思った。
夢の中でそういう思いが持てるのかどうかもわからないけれど、俺はそう思った。
そしておそらくひとまず、缶コーヒーを買いに行こうと廊下に出た。
自販機に向かう階段に差し掛かったあたりで夢は終わった

 

日曜と祝日の間だが、今日の俺はあって年に一度の早出出勤で、いつもより1時間早く起きた。
ここは夢の話ではない。
もう1時間眠れたら、俺は無事に缶コーヒーを手に入れることができたのだろうか。
缶コーヒーを飲みながら何を思っただろうか。
もう一度あの子と会話することができただろうか。
あれから6時間~11時間は経っているし、俺はようやく早出出勤の休憩中だ。
夢というのは見終わった瞬間からどんどん失われていくものだ。
俺は今からまた缶コーヒーを買いに行く。
あの子が今もどこかで元気にしていてくれたら、それでいい。