平成最後の夏、最終日

f:id:tsumetaimizuburo:20180831230941j:image

大人になっても、おじさんになっても、8月31日は寂しい。

幼稚園も小学校も中学校も高校も、8月31日は夏休みの最終日だった。

大学は、ずっと休みのようなものだったけど。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831231327j:image

面倒なことは来月の俺に任せる!

と、定時ダッシュで職場を後にする今月の俺。

横浜線、中央線、さらに富士急行線にまで乗り継いで都留市まで行く。

すべて今日の午後の、会議中に決めたこと。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831231555j:image

相変わらず寂しげな都留市駅

f:id:tsumetaimizuburo:20180831231644j:image

寂しげな街にも名店はある。

都留市駅近くの松鶴、1998年以来通っている中華料理店。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831231821j:image

20年間食べてる味、ホイコーロー定食は720円。

デビュー当時は650円だった。

あれから消費税が上がって、消費税が上がって。

実質的な価格はあまり変わっていないような。

ママもさすがに年齢なのか、あまり元気がないように見えて心配になった。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831232144j:image

で、今日の都留は八朔祭の前夜祭。

八朔祭の日は、この寂しげな街のどこにこんなに人がいたの!

というくらいに賑わう。

20年前の八朔祭、一緒に訪れた子が今の妻でして…

なんて美しい物語は持ってない。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831232424j:image

楽しいのは、ハレの日は堂々と夜を楽しめる子どもたち。

どんな祭りも結局主役は子どもだと思う。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831232709j:image

いっそ朝まで飲んで帰ろうか、と思ったけど妻の顔が脳裏に浮かんでやめました。

いい夫。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831233107j:image

そもそもがもう、朝まで飲む体力なんてないという話。

戸惑いばかりの不惑はすぐそこに。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831233232j:image

サウナはより道の湯で。

泰安温泉と迷ったが、こちらを選んだ。

どうも泰安温泉には、20年前の俺がいそうで。

20年後の俺の腹の肉を摘みながら「おじさんも苦労してるんですかねえ?」なんてニヤニヤしながら言われそうで。

あいつはそういうヤツだった。

あいつは食えない男だった。

でもまあ、いいヤツだったよ。

今の俺よりは絶対に。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831233551j:image

素直に帰る、終電は都留市発2201。

8月は夏、9月は秋。

今夜家に着く頃には、もう秋。

 

サウナ&カプセルホテル GANT(ガント)

f:id:tsumetaimizuburo:20180831180552j:image

とりわけ水風呂が評判のサウナ施設、ガントのホームページを見ると名鉄新岐阜駅からの案内が出てるんです。

JRの岐阜駅に降り立ったお客さんも、まずは新岐阜駅を目指してくださいと出てるんです。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831181402j:image

しかし現代に、新岐阜駅はありません。

かつての新岐阜駅名鉄岐阜駅に名前を変えてしまいました。

それでも頑固に、どうしても新岐阜駅を目指したい場合は2005年まで遡る必要があります。

当時はこの道を、岐阜市内線が走っていました。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831181501j:image

我々が生きているのは平成最後の夏、2018年なので名鉄岐阜駅から徒歩8分。

少々寂しい商店街のアーケード下を歩いてガントへ到着です。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831181616j:image

入泉料は1850円。

これでも高いとは思わないサウナだったけど、朝来ると800円で入れるらしいよ。

f:id:tsumetaimizuburo:20180831190753j:image

(撮影許可済み)

サウナは遠赤外線90℃、水風呂は広々16℃です。

サウナ室の脇に、小ぶりだけどライオンの口から水が流れている貫禄の浴槽があって、そちらが水風呂だと思って入ったら熱かった(笑)。

ガント自慢の水風呂は堂々と浴室のセンター、そこには一度立ち上がってももう一度思い直して身を沈めたくなる滑らかさと爽快感があります。

これはもう再訪決定!

東京に帰ってから、またこの水風呂に入りたくてたまらなくなるのが目に見えていて悩ましいですね…

f:id:tsumetaimizuburo:20180831220448j:image

この日サウナ室のテレビでは甲子園、大阪桐蔭VS沖学園の試合が。

「根尾君も本当は飛騨の子なんだけどなあ」とおそらく常連さんの嘆き節。

甲子園が近くて遠い大阪の球児が地方に野球留学するのはよくあるパターンですが、本当に突き抜けた球児には大阪の高校からスカウトが来るんですな。

大阪桐蔭はこのまま突っ走って第100回大会を優勝、ちなみに旋風を巻き起こした金足農業に2回戦で敗れていたのが岐阜代表の大垣日大でしたとさ。

 

【サウナ&カプセルホテル GANT(ガント)】

http://www.sauna-gant.com

藤井寺温泉(大阪府藤井寺市)とカラオケスナックしゃむすん

f:id:tsumetaimizuburo:20180827212138j:image

大阪阿部野橋から近鉄電車で10分ちょい。

ここは藤井寺、かつて近鉄バファローズの本拠地があった街。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827212449j:image

近鉄バファローズがガラガラの藤井寺球場で野球をしていたのは20世紀。

でも街には何となく残り香があるような。

藤井寺球場最後の一軍戦には、盛田幸妃が投げていたんだよ。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827212944j:image

「当湯は無休です」

f:id:tsumetaimizuburo:20180827213038j:image

入浴料は420円、サウナに入るにはプラス110円でタオル付き。

そしてやはり「当湯は無休です」。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827213255j:image

駅からすぐそこ、藤井寺一番街にある「近鉄いてまえ銭湯」藤井寺温泉。

無休と言い切るところにいてまえ魂を感じるが、中には荒々しいフルスイングの雰囲気など皆無、番頭さんの優しい「おおきに」の声に癒される。

ドライサウナ80℃、水風呂は24℃。

他サイトには冬の水風呂が12℃だったというレポートがあったりして、この振り幅の大きさからいてまえ打線の面影を感じ取れということなのか。

他には全身シャワーのジュビナバス、脱衣所のテレビでは阪神戦が流れていた。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827214059j:image 

サウナ上がりは同じ藤井寺一番街にあるカラオケスナックしゃむすん。

スポーツバーと紹介されることもあるらしいが、正直そんなお洒落な店じゃない。

しゃむすんは断じてカラオケスナック。

俺もマイク渡されたし。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827214414j:image 

マスターは元近鉄バファローズ戦士、和製ヘラクレスと呼ばれた栗橋茂さん。

この日が66歳の誕生日、もう40年以上藤井寺の賃貸住まいだと笑っていた。

栗橋さんの紹介は↓のサイトを見てもらったほうが話が早い。

『猛牛戦士・金村義明80年代パ・リーグ回顧録』80年代パ・リーグ最強のサムライ 

https://bbcrix.com/articles/12052/original

f:id:tsumetaimizuburo:20180827214945j:image

店内には、取り壊し前に藤井寺球場から持ってきたというお宝グッズたち。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827215048j:image

野茂が引退して日本に戻ってきてから、近鉄時代を楽しそうに語るインタビューを見たことがある。

あれは嬉しかった。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827215301j:image

「大石商店」大石第二郎さんもこの店を訪れたことがあるのだという。

日焼けしてガタイのいい人が店の前をうろうろしている、どうしたんだろうと表に出たらブライアントだったという話も。

f:id:tsumetaimizuburo:20180827215712j:image

「石渡のスクイズはサインが出たところでかわいそうだと思った」

仰木監督とはほとんど喋らなかった」

「風に弱いから千葉マリンの外野は守れない」

宿毛のことより、宮崎キャンプで店を半壊にしたのが申し訳なかった」

「38歳か!俺が引退した歳と一緒だ」

新町温泉(徳島県徳島市)

f:id:tsumetaimizuburo:20180826222530j:image

和歌山からフェリーで徳島に着いたのは阿波踊りの前日。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826222758j:image

ハレの日に備えて黙々と準備が進められている夜。

明日のための練習、夕暮れ時に新町川沿いの公園でお囃子の篠笛を響かせる女性の姿。

そのシルエットが格好良かった。

儚くて、力強くて、あんなに格好のいい女性は見たことがない。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826223823j:image

徳島の阿波踊りをめぐってゴダゴタやってたのは、情弱の俺でも知ってる。

市長、観光協会、新聞社だっけ?

公式な前夜祭は設定されていないようだったが、街を歩くと野良阿波踊りの集団が何組も。

少なくともこのお祭り、無くしちゃ駄目でしょう。

無くしたら土地の人の心が死ぬ。

土地の人の心が死んだら土地が死ぬ。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826224254j:image

で、宿泊した東横イン眉山口店の向かいにあった新町温泉。

部屋の窓から見えるようなシチュエーションにあったら入るしかない。

表の看板には「AM6:00〜AM1:00」と大胆な営業時間が書かれているのだが、21時半に入店すると「あと30分だけどいいですか?」と声をかけられて、今は22時までの営業らしく危ないところだった。

入口から男湯女湯で別になっている形。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826224946j:image

(撮影許可済み)

四国の温浴施設でしばしば見かける、カランの前の椅子が連接で固定されている造り。

勝手なイメージでこれを「刑務所スタイル」と呼んでいるのだが、本当に刑務所の風呂がこうなのかは知らん。

今度サウナ玉泉で、隣に座ったお客さんに訊いてみようか。

これについては実地調査できない人生が望ましい。

サウナマットは無いが簀の子が敷かれているサウナ室が奥の扉の先にあって、こじんまりした銭湯には似つかわしくない広さで何かの秘密基地のように思えた。

遠赤外線式で90℃弱。

水風呂の24℃は、この時期なら仕方がないかという感想。 

f:id:tsumetaimizuburo:20180826230137j:image

「明日の朝も来ようか」と言っている親子連れがいて、どうも踊り手として家族で参加するようだった。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826230756j:image 

サウナ上がり、繁華街まで歩いてみると案外と言っては失礼だが、賑やかだった。

夏だからなのか、週末だからなのか、阿波踊りの前日だからなのか、それともいつだって徳島は賑やかなのか。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826231013j:image

客引きに引っ張られるより早く、食事ができる店を発見。

f:id:tsumetaimizuburo:20180826231205j:image

阿波尾鶏、ではない地鶏の親子丼を、徳島美人がニコニコしながら運んできてくれた。

ずっとこんな敗北主義

f:id:tsumetaimizuburo:20180821225148j:image

物事がうまくいくわけがない。

いつものようにうまくいかないと、昨日の俺に続く今日の俺だったと安心感すら覚えてしまう。

下り坂オンリーの平常運転、そうなんだこの安心感の意味のなさは自分でも分かってる。

明日の俺も今日の俺の続きに違いない。

その確率は大阪桐蔭の勝率より高い。

って10割超えかよ。

 

ずっとこんな敗北主義のまま生きていくんだろうか。

もういい加減、生きていけなくなる気配も出てくるか。