京都メインの洛陽ステークス、ダッシングブレイズが強いことは分かっていながら、休み明けを嫌って頭に据えた組み合わせは買わず、ハズレ。
この馬場ではサトノラーゼンはないだろうと、そこのところは的中しておきながら、ハズレ。
ついでに東京メインのクイーンCもアドマイヤミヤビの頭は買っておらず、ハズレ。
ため息をつきながら、競馬場の夕陽を見るのはいつものこと。
洛陽ステークスといえば、いつまで経ってもフジワンマンクロスのレース。
スタートして、田原成貴が外枠に誘導していったレース。
3コーナーに向けて、斜めに切り込んで先頭に立ったレース。
そのままゴールまで押し切ったレース。
俺は他の洛陽ステークスを覚えていない。
今日の洛陽ステークスも、もう忘れた。
今の騎手がこんな乗り方をしたらどうだろう。
ファンは面白がっても、馬主は嫌いそうな気がする。
勝ったところでなんだと、騎手主導で勝利の可能性を追求する姿勢は嫌われそうな気がする。
戸崎も中央で乗るようになった頃は、どんな馬でも買い目に入れたいと思わせる騎手だったが、今は人気馬で安全運転の騎乗になったように見える。
勝ちにこだわる岩田は干された。
騎手が、騎手として勝利を追求するには、外国籍であることが必須の時代になってしまった。
俺はムーアという騎手が、好きになれない。
それは今日の最終レース、プラス26キロを嫌って買い目からはずしたゴールデンバローズで勝たれてしまったから…
という理由もなくはないが、それだけでもない。
生き方、精神の持ち方、育った国の違い。
寡黙に生きる美学もあるだろう。
そういう人間がいることも、もちろん理解している。
俺も普段はそっちのほうの人間だから。
しかしやはり、勝てば喜び負ければ悔しがる、そんな騎手が好きだ。
勝っても負けてもペラペラ喋る騎手が好きだ。
分かりやすい騎手、分かりやすい人間が好きだ。
自らの資質でのびのび「騎手」を全うする人間を見たい。
大手馬主、エージェント…
わざわざ休みの日に、競馬場まで会社の続きを見にいっているわけではないのだから。
田原という騎手は、何にせよ自分の言葉で語ろうとするところは素晴らしいと思っていた。
結局はあんな事件を起こしてしまったのだけれど。
フジワンマンクロスの洛陽Sを見たい!
と思ったらすぐに動画が見つかる。
何とまあ便利な時代なんだと思いながら、便利になるほど生きにくい時代になっていく不思議。